2017年10月23日月曜日

着眼力が未来を創る。アイディア発想の出発点は、自分で見ることから始まる。



伊吹卓(著)『着眼力』を読んでいます。

情報過多の時代に何を見て進むべきかも分からなくなりつつありますが、こんな時代にこそ読んでみたいテーマです。

全てが豊かに揃って、インターネットでいつでも検索でき、一見は何不自由なく幸せに思えるのですが、同じ教育を受けてきて、同じテレビを見て、全てが受け身で育った私達は、自分の目で見つけ出す力が不足しています。

また、日本特有の出る杭は打たれる、空気を読めと、指導されていたなら、それは自分の目で見た貴重なものまでフィルターされている状態なのかもしれません。

着眼のおもしろさは何でもないことに目をつけることである。マクドナルドのスマイル(ほほ笑み)戦略もその一つである。(なあんだ、スマイルか) と思う人は、もう落第である。笑顔のように常識的で平凡なことが、商売においてどれほど大きな効果をあげるか──を知っているからこそ、笑顔に着眼できるのである。


マクドナルドは「スマイル0円」のキャッチコピーで、お客さんにはニッコリという何でもないようなことで、社員意識と企業イメージを向上させたことは有名です。

まさに企業も顧客もタダでより良い関係になれる斬新なキャッチコピーでしたが、何でもないようなところにアイディアは眠っています。

また、マクドナルド一号店は、銀座三越そばに作ったこともハンバーガー商品の格を上げる要因になり、当時としては画期的で着眼力があったといえます。

私たちの目は、物理的には全焦点レンズであるが、本当は焦点をマニュアル(手動操作)で変えられるのである。私たちの目の焦点を合わせるということは、ぼんやり見ているだけでなく、問題意識をもって見るということである。問題意識をもっていると、そのことだけが見え、それ以外のことは見えないことが多い。


カメラも同じですが、風景写真ではどこにピントを合わせるか、どこを切り抜いてフレームに収めるかといった着眼力が必要になります。

良いカメラだから撮れるわけではなく、良いタイミングに良い場所にいてシャッターチャンスを逃さない、そんな色んな意味での着眼力が大切です。

アイディアの出発点は、見ることにある。  見る訓練をしているうちに、焦点の合わせ方がうまくなる。それが眼力であり、着眼力なのである。


人間の目もカメラでいう広角レンズと同じような視野があり、見えすぎるくらいの情報を瞬時に判断していますので、どこにピントを合わせるか、意識して着眼する必要があります。

それは、利用者目線なのか、技術者目線、若者目線、年配者目線、観光客目線、またマーケットや時代の潮流をとらえながら、日々訓練しておくことで未来は拓けてくるでしょう。

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