2017年11月3日金曜日

英才教育は危険、シナプスの刈り込み現象とは?子供の成長に必要なことは何だろう。



藤田 紘一郎 著『脳はバカ、腸はかしこい』を読んでます。

著者の専門は、免疫学(医学博士)ですが、本書の中に子育てのヒントになる内容がありましたので、参考にしたいと思います。

そんな私も父親になり、子供の成長に合わせて、親としてフォローしてあげる責任を担いました。

「寝る子は育つ」とか「3つ子の魂、百まで」とか、それだけを信じていても駄目だとも思うこの頃ですが、かと言って周りの親たちに流されて右に習えでも、そりゃ駄目でしょう、ということです。

まずは、お受験だとか、こども英会話だとか、早くから大人の意思だけで頭に詰め込んで本当に良いのか?そんな疑問について考えてみます。

 ところで多くの大人たちは、子どもには早い時期から高度の教育を受けさせればよいと考えているのではないでしょうか。
 しかしそれは効果がないどころか、かえって子どもの脳の正常な発育を阻害してしまうのです。幼児期からやたらに英才教育を受けていると、大人になるとダメ人間になることが多いことにすでに皆さんは気づいていると思います。大人で「天才」と呼ばれる人は、子どもの時代にボーっとしている人だったり、変人だったりします。逆に小さいときに「神童」とほめられていた子どもは、大人になってから意外に大したことがなくて平凡に終わったりします。



早いうちから勉強だ、お受験だとしても、長期的にみると逆効果であることがわかりますが、そもそも一流幼稚園に入り、最終的には一流大学に入るのがゴールなの?

私自身がまったく天才とは真逆、凡人、平凡な幼少期だったのですが、だからと言って英才教育が必要だなんてことは、まったくして思いません。

では、何が大切なのでしょうか?

 子どもの発展途上の脳を正常に発達させるには、「感覚的経験」が必要で、しかもその経験は生後まもなくの時期に形成されます。この時期を「臨界期」といいます。臨界期に幼児に感覚的経験をさせないと、重大な障害が起こるというわけです。
 感覚的体験を起こさせないで、幼児期から難しい高等教育ばかりを施していると、脳のその後の正常な発達が望めなくなります。つまり、幼いうちの脳にむりやり詰め込もうとする教育は、外界からの刺激が多すぎて知覚機能が麻痺し、脳は一生子どものレベルから成長しにくくなるという弊害が出てくるのです。



英才教育より感覚的体験が大切と著者は指摘していますが、あれやこれやと詰め込み過ぎると刈り込みがうまく行えなくなり、発達障害の一つであるADHA(注意欠陥多動性障害)につながるとする有力な学説もあります。

刈り込みがうまく行えない?

脳には神経細胞どうしをつないでネットワークを構成する「シナプス」というものがありますが、その数は、生後7・8カ月ごろにピーク、あとは減少していきます。

それは、『シナプスの刈り込み現象』と呼び、生まれてから不要と判断したものは、捨て去られてしまうのですが、その前に頭に詰め込んでしまえ!とやってしまうと、その捨て去りがうまく行われず、将来問題となる可能性があるということです。

では、著者が言う、英才教育より感覚的な体験とは、どんなものでしょうか。

・外で季節を感じる
・朝の光りを浴びて目覚め、夜は静かに眠る
・絵本を見たり、音楽を聞いたり、五感を磨く
・興味を示したものに接する
・語りかけてあげる
・動物と触れ合う 等・・・

という、今の感受性でしか得ることができない体験が大切でしょう。

なんにせよ、子供の成長を見届けるという、今しかない、一生に一度の機会を与えられたことに感謝。

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