2017年10月25日水曜日

書きたい気持ちが大切。文章力は何度も書き直しながら向上していく。



村上春樹(著)『職業としての小説家』を読んでいます。

かなり前に読み終わっていますが、たまに読み返すことで、新たな気づきや参考になったり、刺激を受けたりします。

書くことについて、とても参考になる内容でしたので、備忘録として残します。

何度くらい書き直すのか? そう言われても正確な回数まではわかりません。原稿の段階でもう数え切れないくらい書き直しますし、出版社に渡してゲラになってからも、相手がうんざりするくらい何度もゲラを出してもらいます。ゲラを真っ黒にして送り返し、新しく送られてきたゲラをまた真っ黒にするという繰り返しです。前にも言ったように、これは根気のいる作業ですが、僕にとってはさして苦痛ではありません。


村上 春樹 氏ともなる作家でも、数え切れないくらい書き直すことに驚きますが、それほど書くことは簡単にはいかない、というエピソードがうとても和みました。

私も仕事でメールを書いていると、伝えたいことが難しい内容であるほど、どう伝えよう?あーでもない、こーでもない、と四苦八苦しながら文章を書いています。

同じ文章を何度も読み返して響きを確かめたり、言葉の順番を入れ替えたり、些細な表現を変更したり、そういう「とんかち仕事」が僕は根っから好きなのです。ゲラが真っ黒になり、机に並べた十本ほどのHBの鉛筆がどんどん短くなっていくのを目にすることに、大きな喜びを感じます。なぜかはわからないけれど、僕にとってはそういうことが面白くてしょうがないのです。いつまでやっていてもちっとも飽きません。
 

著者は、言葉の順番を置き換えたり、書きなおすことが面白くてしょうがない、と言っていますが、私もこのブログで言葉の使い方や文章を書くことを楽しんでいます。

子供の頃から、文章を書くことは難しくて楽しくない、と頭の中にありましたが、今考えると面白くもない指定された本の作文を書くことに原因があったように思います。

それと、400字詰め原稿用紙2枚にまとめるように、と指示され長く書くことが目標になっていたり、起承転結になっていない、と指摘され、色んな制約が多すぎたのも原因でしょう。

どの作品をっても「もう少し時間があればもっとうまく書けたんだけどね」というようなことはありません。もしうまく書けていなかったとしたら、その作品を書いた時点では僕にはまだ作家としての力量が不足していた――ただそれだけのことです。残念なことではありますが、恥ずべきことではありません。不足している力量はあとから努力して埋めることができます。しかし失われた機会を取り戻すことはできません。


書いてみたいけど、うまく書けないと思ったら、面白かった本や書きたいテーマに気軽に思ったことを書いてみましょう。

完成度を気にして書かないより、日々書くことで書き方のスキルが向上します。また、自分の言葉で書くことで、本の内容や書きたいテーマが整理され、頭の中に知識のストックとしてか定着していきます。

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